おやつを喉に詰まらせた日、私の“ペット防災”が始まった

「まさか、こんなことで命の危険が…」
くろぷーがおやつを喉に詰まらせた時、頭が真っ白になりました。
テレビから流れる災害のニュースは“もしも”として見ていたのに、
非常事態は日常にも突然やってくる。あの経験が、私の中で「防災=災害対策」だけではないと教えてくれました。

水飲みが下手で丸呑みタイプ。だからこそ気をつけていたはずなのに

実はくろぷーは、小さい頃からお水を飲むのがあまり上手ではありません。今でも水を飲んだあとにゲホゲホと激しくむせることがよくあります。

おやつの食べ方も、よく噛んで食べるというよりは、勢いよく「丸呑み」してしまうタイプでした。小型犬用の細長いジャーキーをあげるときも、そのまま渡したら長いまま丸呑みしてしまうので、怖くて、必ず私が手で持って、少しずつ噛みちぎらせるようにして与えていました。

そんな性格もあって、くろぷーが小さな頃から、食べ物は万が一丸呑みしても大丈夫なように、あらかじめ小さなサイズにカットしてあげるのが我が家の当たり前でした。

かつて一緒に暮らしていた「うさぎのお兄ちゃん」のご飯と並べるときも、うさぎ用には大きめのごろっとしたニンジンを。くろぷー用には、喉に詰まらないように細かく千切りにしたニンジンを。

くろぷーはニンジンやキュウリ、ブロッコリーといったお野菜が大好きですが、それらもすべて「くろぷーサイズ(千切りや小さめのカット)」でなければ危険だということを、私はいつも頭に置いて過ごしていたのです。

日常的にそれだけ気をつけて、食べ物のサイズには人一倍敏感だったはずの私。それなのに、あの日、ほんの少しの油断と「これくらいなら大丈夫だろう」という思い込みが、くろぷーの命を脅かす大事件を引き起こしてしまいました。

判断が揺れるほど、時間だけが過ぎていく恐怖

犬も猫も小動物も、体が小さいほど“数分の遅れ”が命の大きな差になります。頭では分かっているつもりでしたが、いざ目の前でくろぷーが苦しんでいるのを見たとき、激しく焦った自分は「まず何をする?」の順番が完全に曖昧になっていました。

抱き上げる?
水を飲ませる?
背中を叩く?
病院に電話する?

判断が揺れ、迷えば迷うほど、時間だけが残酷に過ぎていく感覚。生きた心地がしませんでした。

結果的に、あの日のおやつはなんとか無事に出てきてくれて大事には至りませんでしたが、あの恐怖と後悔は今も忘れることができません。それと同時に、「正しい知識がなければ、いざという時に大切な家族を守れない」という厳しい現実を痛感したのです。

今6歳、これからもずっと「この子の命」を守り続けるために

くろぷーサイズに細かくした食べ物で大切に育ててきて、くろぷーも今6歳になりました。これから年齢を重ねてシニア期に入っていきますが、丸呑みしてしまう癖や、お水を飲むのが苦手なところは、これからもずっと注意が必要です。食べ物の大きさに気を配る日々は、この先もずっと続いていきます。

でも、どんなに普段から気をつけていても、人間のすることに「絶対」はありません。万が一、また同じようなことが起きてしまったら?その時、私が正しい知識を持っていなかったら、今度こそこの子の命を失ってしまうかもしれない。

「ただ怖がって油断しないように怯えるだけでなく、万が一の時にその場で私が命を救える救急処置を身につけたい」

そう強く思ったからこそ、私はその後、ドッグトレーナーさんからしつけを学び、さらに一歩進んで「人とペットの防災救急士」の資格を取り、正しい救急処置を習いに行くことにしたのです。

人とペットの防災救急士について詳しくはこちら

日常のしつけと平常心は、最強の防災スキル

あの事件をきっかけに、私は救急の基本と、パニックを増やさないための“日常のしつけ”をセットで考えるようになりました。

いざという時に守りたいのは、愛犬の命だけでなく、飼い主である自分自身の「平常心」です。
平常心があるからこそ、命を助けるための正しい判断と行動ができるのだと思います。

普段からキャリーに入る練習をする、呼び戻しの合図を作る、どこを触られても嫌がらないようにする。 これらは一見、普通のお行儀のしつけに見えますが、災害時の同行避難や、突発的な事故のときに愛犬の命を救う行動にそのまま直結します。環境省のガイドラインでも、飼い主の準備として「日頃からの備えやしつけ」の重要性がはっきりと示されています。

( Source 環境省:人とペットの災害対策ガイドラインより

今日からできる、小さな「段取り」の力

私が目指しているのは、何もかも完璧にこなせるような飼い主ではありません。仕組みと段取りの力で「もしもの時の迷いを減らす」飼い主です。

そして何より大切なのは、救急処置が必要になるような事態を、日頃の工夫で「最初から防ぐ」こと。

事故が起きてから慌てて対処するのではなく、そもそも救急に至らないようにするために、日常のしつけや環境、食べる習慣を仕組みとして整えておく。これが、我が家が実践している一番の段取りです。

今日からできることは、本当に小さくていいのです。

・おやつを丸呑みさせないための「手持ち給餌」を習慣にする
・愛犬のサイズに合わせた食べ物の大きさを徹底する
・かかりつけ病院の連絡先を、スマホの“お気に入り”に入れる
・夜間救急の場所やルートを、家族全員で共有しておく

まずはそれだけで、次に非常事態が起きたときの怖さは少し減ります。

このブログでは、あの日の、頭が真っ白になって動けなかった自分に手渡したかった「具体的な手順」を、犬・猫・小動物を並列に見ながら分かりやすく作っていきます。

誰かの「間に合った」を、ひとつでも多く増やせますように。

うちの子を守るペット防災の全体像(読む順番)は、こちら →