「おすわり」で暮らしが変わった話し(6才からのトレーニング記録)

くろプーが初めて習った本格的なトレーニングは「おすわり」でした。
でも、それはただ座るだけの動作ではありませんでした。
重要だったのは、飼い主が決めた場所に座る「意味のあるおすわり」。
これができるようになってから、くろプーとの暮らしが驚くほど快適になり、
お互いの気持ちがぐっと近づいたように感じています。

私たちが出会った「おすわり」

きっかけは、くろプーが6歳になった頃のことでした。
仕事のストレスや環境の変化で私の気力が底をつき、その不安が伝わったのか、
穏やかだったくろプーに「威嚇」や「かみつき」といった問題行動が出るようになっていました。
そんな中、決定的な出来事が起きました。
普段は拾い食いなんてしないくろプーが、私の不注意で落とした歯間ブラシをくわえ、
取ろうとした瞬間に針金部分を飲み込んでしまったのです。
真っ青になって駆け込んだ動物病院。
幸い無事に出てきて大事には至りませんでしたが、肝が冷えました。
「今のままではこの子の命を守れない」 と痛感し、先生に最近の問題行動を相談しました。
そこで紹介されたのが、ドッグトレーナーさんとの出会いでした。
「6歳からでも大丈夫?」という不安もありましたが、トレーナーさんの「年齢は関係ありませんよ」という言葉に救われ、二人三脚でのやり直しが始まりました。
そして私たちが最初に教わったのが、意外にも 「おすわりのやり直し」 だったのです。

学んでみて分かったのは、しつけてもらうのではなく、
私が伝え方を学び、くろプーと一緒に練習していくことが大切だったということでした。


「できているつもり」だったおすわりの正体

私は長い間「くろプーはおすわりができる」と思い込んでいました。
でも実際は、敷物の上に座る“芸”として覚えていただけで、
しつけとしての「どこでも座る」という意味とは違っていたのです。

くろプーにとってのおすわりは、「何か(敷物)の上に座ること」 でした。
タオルや座布団の上でおすわりさせていたため、
家の中でも外でも、敷物がないと座れないのが当たり前になっていたのです。

そんな頃のくろプーの“おすわりの記録”を、少し並べてみました。
ここからは、おすわりコレクションです。

最初の関門は「敷物なしのおすわり」

トレーニングを始めて最初にぶつかった壁が、
何もない床での「敷物なしのおすわり」 でした。
くろプーにとっては
「座る=敷物の上」というルールが強固だったので、最初は戸惑ってなかなか座れません。
でも、ここを乗り越えたことで大きな変化がありました。

  • どこでも、こちらの指示した場所で座れるようになる
  • 興奮を抑えられる
  • こちらの言葉に耳を傾けるようになる
  • 次の行動(まて・おいで)がスムーズになる

これらは、信頼関係を築き直すための大切な一歩でした。

座る場所を決めていたのは、犬だった

さらに驚いたのは、
実はくろプー自身が「座る場所」を決めていた ということ。
私は「ここに座ってね」と伝えているつもりでも、実際はくろプーが自分で座りやすい場所を選んでいたのです。
おすわりが「指示」ではなく、
「習慣の延長」 になっていたことに気づけたことで、「意味のあるおすわり」の大切さが一気に腑に落ちました。

見えてきた確かな変化

正しい「おすわり」をしっかり覚えるためには、
毎日の練習がとても大事 でした。
くろプーは長年、「敷物の上に座る」という習慣が強く根づいていたので、そのクセを手放すには少し時間が必要でした。
とはいえ、練習といっても長時間ではありません。
1回数十秒〜数分の“短い練習”を、毎日コツコツ続けただけ。
それでも続けられたのは、
私自身がくろプーと 「伝わっている」感触 を感じられたからです。

  • 目を合わせてくれる
  • 指示を聞こうとしてくれる
  • 少しずつできることが増えていく

その小さな積み重ねが嬉しくて、
気づけば毎日の練習が楽しみになっていました。

おすわりのあと、こんなふうに見つめてくれるようになりました。
次の合図を楽しみにしている気持ちが伝わります。

想定外のメリットと暮らしの変化

無駄吠えが減り、家の中が静かに

無駄吠えについては、そこまで大きな悩みだとは思っていませんでした。
ところが、「意味のあるおすわり」が身についてくると、
不思議なことに無駄吠えがスッと減ったのです。

  • 家の前を通る車や人への反応
  • 外の物音への警戒
  • 「おやつが欲しい」という要求吠え

これらが落ち着き、家の中が驚くほど静かで快適になりました。
おすわりは単なる動作ではなく、
犬を落ち着かせ、「次にどうすればいいかを伝える合図」 なのだと実感しました。

次の目標「玄関からの飛び出し防止」へ

今回のトレーニングで、私が最初から掲げていた目標がありました。
それは 「玄関からの飛び出し防止」 です。
一見、おすわりとは関係ないように思えるかもしれませんが、
実はここがすべてのスタートラインでした。

  • 指示された場所で座る
  • その場で落ち着く
  • 次の指示を待つ

この流れができることで、
興奮しやすい玄関でも落ち着いて過ごすための土台が整っていったのです。
(※この「玄関での変化」や「まて」の具体的な練習については、次回の記事で詳しくお伝えしますね)

さいごに

「おすわり」は、ただの芸ではありません。
愛犬との信頼を育てる合図であり、暮らしを整え、命を守るためのスイッチ

ドッグトレーナーさんの指導を受ける中で気づいたのは、
犬に伝えるには、ほんの少しのコツと“タイミング”があるということ。
同じ言葉でも、合図を送る、声をかける、褒める、一瞬の違いで、くろプーの理解がまったく変わってくることを何度も実感しました。
動画やしつけ本では分からなかった、あの“微妙なタイミング”をその場で修正してもらえたからこそ、私自身の伝え方が大きく変わりました。
そのたびに、「ドッグトレーナーさんって本当にすごい…」と心から思いました。
正直に言えば、もっと早く出会いたかった。これが本心です。
でも、あのタイミングで出会えたからこそ、今の私たちがいるのだと思います。
出会えたことに、心から感謝しています。

6歳からでも、飼い主が変われば犬も必ず変わってくれる。
日常の小さなトレーニングがめぐりめぐって、いざという時の防災にもつながっていく。

れ以上に、くろプーとの暮らしはこれからもっと穏やかで、やさしい時間になっていく気がしています。
そんな変化を、これからも少しずつ綴っていきます。
そしてもし、愛犬との関係に迷いがあったり、悩んでいる方がいたら、この記録がほんの少しでも参考になれば嬉しいです。